あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
***
今、羽理のミルクティーベージュ色の髪の毛を左サイドでゆるっと束ねているのは、グレイのサテン地のシュシュで。とびとびに留め付けられたラインストーンがキラキラと光っている、シンプルだけどエレガントに見える大人可愛いデザインのものだった。
お気に入りだし使いやすいアイテムだから使用頻度は高めではあるけれど、シュシュを付けた翌日にはバレッタで、みたいにメリハリがつくように気を遣っている羽理だ。
だけど今朝は――。
***
何か重い……と、息苦しさに目覚めた羽理は、寝慣れないふかふかのベッドの中。
何故か大葉にギュッとしがみついていて……。
(ひっ、近いっ!)
超絶整っているくせに、まぶたを閉じているとどこかあどけなく見える大葉の《《御尊顔》》が、すぐ目の前にあった。
そうしてあろうことか、大木=大葉にコアラ状態な羽理に応えるように、彼の方からもギュッと抱きしめられて眠っていたことに気が付いて。
羽理は、大慌てで大葉の腕の中から逃げ出したのだけれど。
思いのほか重量のある大葉の腕からすり抜けるのに、存外手間取ってしまった。
どうやら羽理に寝苦しさを覚えさせたのは、自分を抱きしめていた大葉の腕の重みだったらしい。
心の中でヒャワヒャワと悲鳴を上げながら現状打破に焦る余り、大葉の腕から逃れたと同時、ビタン!と顔から床へ落ちてしまった羽理は、その音で大葉を起こしてしまった。
「んー、……羽、理? ひょっとして……お前、ベッドから落ちたのか?」
律儀に「おはよう」と付け加えつつ、心配そうにベッドサイドから大葉に見下ろされた羽理は、痛打したおでこの痛みに目を潤ませながらワナワナと大葉を指さして口をパクパクさせる。
と同時。ハッとした様子の大葉から、「いっ、言っとくがっ! お、《《俺は》》っ何もしてねぇからな!?」と釘を刺された。
「わざわざ離れて横になった俺に『寒いですぅー』とか何とか言いながらくっ付いてきたのはお前の方だぞ!?」
「嘘ッ!」
「嘘じゃねぇわ、この酔っ払い娘め!」
今、羽理のミルクティーベージュ色の髪の毛を左サイドでゆるっと束ねているのは、グレイのサテン地のシュシュで。とびとびに留め付けられたラインストーンがキラキラと光っている、シンプルだけどエレガントに見える大人可愛いデザインのものだった。
お気に入りだし使いやすいアイテムだから使用頻度は高めではあるけれど、シュシュを付けた翌日にはバレッタで、みたいにメリハリがつくように気を遣っている羽理だ。
だけど今朝は――。
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何か重い……と、息苦しさに目覚めた羽理は、寝慣れないふかふかのベッドの中。
何故か大葉にギュッとしがみついていて……。
(ひっ、近いっ!)
超絶整っているくせに、まぶたを閉じているとどこかあどけなく見える大葉の《《御尊顔》》が、すぐ目の前にあった。
そうしてあろうことか、大木=大葉にコアラ状態な羽理に応えるように、彼の方からもギュッと抱きしめられて眠っていたことに気が付いて。
羽理は、大慌てで大葉の腕の中から逃げ出したのだけれど。
思いのほか重量のある大葉の腕からすり抜けるのに、存外手間取ってしまった。
どうやら羽理に寝苦しさを覚えさせたのは、自分を抱きしめていた大葉の腕の重みだったらしい。
心の中でヒャワヒャワと悲鳴を上げながら現状打破に焦る余り、大葉の腕から逃れたと同時、ビタン!と顔から床へ落ちてしまった羽理は、その音で大葉を起こしてしまった。
「んー、……羽、理? ひょっとして……お前、ベッドから落ちたのか?」
律儀に「おはよう」と付け加えつつ、心配そうにベッドサイドから大葉に見下ろされた羽理は、痛打したおでこの痛みに目を潤ませながらワナワナと大葉を指さして口をパクパクさせる。
と同時。ハッとした様子の大葉から、「いっ、言っとくがっ! お、《《俺は》》っ何もしてねぇからな!?」と釘を刺された。
「わざわざ離れて横になった俺に『寒いですぅー』とか何とか言いながらくっ付いてきたのはお前の方だぞ!?」
「嘘ッ!」
「嘘じゃねぇわ、この酔っ払い娘め!」