あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「ちょっと待って、たいちゃんっ!」
姉が必死の様子で呼び止めてきて、キュウリを抱いたまま目の前に立ち塞がってくるから。
「な、何だよ……」
(この勢いを削がれたら気持ちが萎えちまうだろ!)
大葉のそういう性格は、自分自身が一番知っている。
だが、姉である柚子だって、ある程度は弟の特性を熟知していると思うのに。
告白しろと言ったくせに邪魔してこようとする姉を睨み付けたら、「私のご飯作りがまだ途中よ!」とか。
「何だよ、それ!」
大葉は羽理と手を繋いだまま、思わずその場にヘタリ込みそうになった。
***
「……お姉さん、面白い人でしたね」
助手席でふふっと笑う羽理の横顔にちらりと視線を向けてから、大葉は「自由人過ぎるんだよ」と溜め息を落とす。
結局、あのあと羽理に一旦ソファへ座り直してもらってから、大葉は柚子のために夕飯と翌朝の朝食の準備をしたのだけれど。
ついでだったので、羽理の弁当へ入れられそうな作り置き常備菜を冷凍庫から出して大きめの食品保存容器にいくつか詰め直してから、保冷袋に入れて持ち出せるようにした。
汁物を作りながら手際よく夕飯と明日の朝食を準備する大葉の横で、柚子は始終ご機嫌で。
姉が必死の様子で呼び止めてきて、キュウリを抱いたまま目の前に立ち塞がってくるから。
「な、何だよ……」
(この勢いを削がれたら気持ちが萎えちまうだろ!)
大葉のそういう性格は、自分自身が一番知っている。
だが、姉である柚子だって、ある程度は弟の特性を熟知していると思うのに。
告白しろと言ったくせに邪魔してこようとする姉を睨み付けたら、「私のご飯作りがまだ途中よ!」とか。
「何だよ、それ!」
大葉は羽理と手を繋いだまま、思わずその場にヘタリ込みそうになった。
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「……お姉さん、面白い人でしたね」
助手席でふふっと笑う羽理の横顔にちらりと視線を向けてから、大葉は「自由人過ぎるんだよ」と溜め息を落とす。
結局、あのあと羽理に一旦ソファへ座り直してもらってから、大葉は柚子のために夕飯と翌朝の朝食の準備をしたのだけれど。
ついでだったので、羽理の弁当へ入れられそうな作り置き常備菜を冷凍庫から出して大きめの食品保存容器にいくつか詰め直してから、保冷袋に入れて持ち出せるようにした。
汁物を作りながら手際よく夕飯と明日の朝食を準備する大葉の横で、柚子は始終ご機嫌で。