あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「だって……お客さんが来ることなんて滅多にないんですもの」
「にしても、だ。気ぃ抜き過ぎだろ」
会社では凛とした美人……と言った様相の羽理なのに、家での脱力っぷりは凄くて。
こんな風に持ち物にもそういうのが出てしまっているのが、実は大葉的にはたまらなくツボなのだ。
だが、何となくそれを目の前の倍相岳斗には気付かれたくないと思っていたりする。
それでつい、小姑のようになってしまったのだけれど――。
それに気付いているのかいないのか。
「荒木さんは本当に猫グッズがお好きですよね」
オッドアイの白猫が描かれたカップに優雅に口を付けながら、岳斗がのほほんとした雰囲気で言って。
目つきの悪い不良っぽい黒猫が描かれたカップを手にしたまま大葉がそんな岳斗の真意を探るみたいにじっと彼を見詰めた。
ふわふわのペルシャ猫が仰向けに寝っ転がったマグを両手で包み込むようにしてそんな二人を交互に見遣りながら、羽理は何となくピリピリした空気を感じて落ち着かない。
「僕は《《羽理ちゃん》》がどんなカップでおもてなししてくれても気にしませんよ?」
ふふっと笑って「屋久蓑部長はお家でも厳しいですね~」と付け加えた岳斗からは、大葉への牽制っぷりがありありとにじみ出ていて。
「ま、羽理はすぐに《《俺と暮らすようになる》》から関係ねぇけどな」
大葉の返しもまた、それに勝るとも劣らないブリザードっぷりだった。
「にしても、だ。気ぃ抜き過ぎだろ」
会社では凛とした美人……と言った様相の羽理なのに、家での脱力っぷりは凄くて。
こんな風に持ち物にもそういうのが出てしまっているのが、実は大葉的にはたまらなくツボなのだ。
だが、何となくそれを目の前の倍相岳斗には気付かれたくないと思っていたりする。
それでつい、小姑のようになってしまったのだけれど――。
それに気付いているのかいないのか。
「荒木さんは本当に猫グッズがお好きですよね」
オッドアイの白猫が描かれたカップに優雅に口を付けながら、岳斗がのほほんとした雰囲気で言って。
目つきの悪い不良っぽい黒猫が描かれたカップを手にしたまま大葉がそんな岳斗の真意を探るみたいにじっと彼を見詰めた。
ふわふわのペルシャ猫が仰向けに寝っ転がったマグを両手で包み込むようにしてそんな二人を交互に見遣りながら、羽理は何となくピリピリした空気を感じて落ち着かない。
「僕は《《羽理ちゃん》》がどんなカップでおもてなししてくれても気にしませんよ?」
ふふっと笑って「屋久蓑部長はお家でも厳しいですね~」と付け加えた岳斗からは、大葉への牽制っぷりがありありとにじみ出ていて。
「ま、羽理はすぐに《《俺と暮らすようになる》》から関係ねぇけどな」
大葉の返しもまた、それに勝るとも劣らないブリザードっぷりだった。