あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「ええ、これを受け取った際には彼女への告白さえまだでしたから」
「へぇー。その口ぶりからすると……もう告白も済んでて、相手の子からOKももらってるってことだと解釈したんでいいのかな?」
「はい。既に結婚の約束も取り付けていますし……柚子にも紹介済みです」
「えっ?」
大葉が真剣な顔で答えたら、恵介伯父が一瞬驚いた顔をしてから、堪らくなったみたいにブハッと吐き出した。
「そっか、そっか。柚子ちゃんにももう……。女嫌いで奥手。そんなたいちゃんが自分からそんな風に動くとは。しかも恋人を飛ばして婚約とか。基本《《ヘタレ》》でクソ真面目なたいちゃんなのに……これはまたやけに飛躍したねぇ。伯父さんびっくりだよ。きっと柚子ちゃんは相手のお嬢さんのこと、気に入っちゃってるんでしょう?」
そこでわざとらしく肩をすくめて見せながら、「あの子を味方に付けるとか……たいちゃん、そんなにその子のことが欲しかったの?」とか付け加えてくる。
「ちょっ、伯父さん、言い方!」
「だってそうでしょう? そこまでしたいくらいその子に惚れ込んじゃったってことだよね? 僕や両親に何の相談もなくプロポーズまで済ませて、柚子ちゃんまで味方に付けちゃうとか。伯父さん、気を付けてないと顔がニヤけちゃいそうなんだけど……」
ニヤけてしまいそうだとか言いながら、散々笑いまくった挙げ句、今もしっかりニヤニヤしてますよね!?と思った大葉だったけれど、面倒なのでそこは言わずにおいた。
母の三つ上の兄である恵介は、屋久蓑三姉妹弟、七味、柚子、大葉の名付け親だったりする。
シスターコンプレックスな恵介伯父が、大葉らの父に、妹との結婚を許す条件として、生まれてくる子供達の名付けの権利を主張したのだとか何とか。
恵介伯父としては、半分冗談のつもり。父の覚悟を見極めたかっただけらしいのだが、妹である母の方が、逆に兄である恵介伯父に有言実行を迫ったのだと言う。
長女七味の候補名を告げた時点で却下されるものだと恵介伯父は思っていたらしいのだが、母はその名をいたく《《気に入って》》、そのまま父に出生届を出させてしまったらしい――。
「へぇー。その口ぶりからすると……もう告白も済んでて、相手の子からOKももらってるってことだと解釈したんでいいのかな?」
「はい。既に結婚の約束も取り付けていますし……柚子にも紹介済みです」
「えっ?」
大葉が真剣な顔で答えたら、恵介伯父が一瞬驚いた顔をしてから、堪らくなったみたいにブハッと吐き出した。
「そっか、そっか。柚子ちゃんにももう……。女嫌いで奥手。そんなたいちゃんが自分からそんな風に動くとは。しかも恋人を飛ばして婚約とか。基本《《ヘタレ》》でクソ真面目なたいちゃんなのに……これはまたやけに飛躍したねぇ。伯父さんびっくりだよ。きっと柚子ちゃんは相手のお嬢さんのこと、気に入っちゃってるんでしょう?」
そこでわざとらしく肩をすくめて見せながら、「あの子を味方に付けるとか……たいちゃん、そんなにその子のことが欲しかったの?」とか付け加えてくる。
「ちょっ、伯父さん、言い方!」
「だってそうでしょう? そこまでしたいくらいその子に惚れ込んじゃったってことだよね? 僕や両親に何の相談もなくプロポーズまで済ませて、柚子ちゃんまで味方に付けちゃうとか。伯父さん、気を付けてないと顔がニヤけちゃいそうなんだけど……」
ニヤけてしまいそうだとか言いながら、散々笑いまくった挙げ句、今もしっかりニヤニヤしてますよね!?と思った大葉だったけれど、面倒なのでそこは言わずにおいた。
母の三つ上の兄である恵介は、屋久蓑三姉妹弟、七味、柚子、大葉の名付け親だったりする。
シスターコンプレックスな恵介伯父が、大葉らの父に、妹との結婚を許す条件として、生まれてくる子供達の名付けの権利を主張したのだとか何とか。
恵介伯父としては、半分冗談のつもり。父の覚悟を見極めたかっただけらしいのだが、妹である母の方が、逆に兄である恵介伯父に有言実行を迫ったのだと言う。
長女七味の候補名を告げた時点で却下されるものだと恵介伯父は思っていたらしいのだが、母はその名をいたく《《気に入って》》、そのまま父に出生届を出させてしまったらしい――。