あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
以後も柚子、大葉、と母と伯父との攻防が続いた結果が、自分たちの何とも奇妙な名なのだ。
もともと農家の出だった母としては、本気で恵介伯父から提案された我が子らの名を気に入っていると言うことだったが、大葉としてはマジか!と思ったことは否めない。
とはいえ、幼い頃から共働きで不在がちだった両親に代わって、この恵介伯父さんがよく面倒を見てくれたから。
大葉は眼前の伯父のことがどうしても憎めないし、頭が上がらないのだ。
***
「――で、どんな子なの?」
「え?」
いともアッサリと見合い写真を引き取ってしまった恵介伯父に、大葉は逆に拍子抜けしてしまった。
「せっかく持って来て頂いた見合い話を反故にするって言ったのに……怒らないんですか?」
「だってたいちゃんの意志を尊重しなかったら七味ちゃんと柚子ちゃんの報復が怖いもん。――それにね、知ってると思うけど僕、果恵に恨まれるのだけは死ぬほど嫌なんだよ」
果恵とは大葉らの母の名、つまりは目の前の伯父にとっては実の妹の名だ。
「伯父さん、めちゃくちゃシスコンですもんね」
「失礼だなぁ。妹愛が強いと言って?」
クスクス笑う伯父の表情は、やはり母に似ている。
妹への愛を惜しみなく語る恵介伯父を見ていると、母・果恵の結婚の障壁が、両親であった祖父母よりも、この伯父だったと言うのにも頷けたのだけれど。
果たして自分にとってこの伯父は、羽理とのことの障壁になるだろうか?
恐らくそんなことにはならないと思いつつもちょっとだけ構えてしまうのは、さっき倍相岳斗に脅されたからかも知れない。
「相手は……財務経理課の女性です」
「もしかして……荒木羽理さん?」
「えっ!? ……な、んで……それを!?」
「やっぱりアタリかぁー。法忍仁子さんも綺麗な女性だけど、たいちゃんの好みで考えると荒木さんかな?って」
ククッと笑いつつ。
「――何年キミの伯父さんをやってると思ってるの?」
と付け加えられてしまっては、言葉に詰まるしかない。
もともと農家の出だった母としては、本気で恵介伯父から提案された我が子らの名を気に入っていると言うことだったが、大葉としてはマジか!と思ったことは否めない。
とはいえ、幼い頃から共働きで不在がちだった両親に代わって、この恵介伯父さんがよく面倒を見てくれたから。
大葉は眼前の伯父のことがどうしても憎めないし、頭が上がらないのだ。
***
「――で、どんな子なの?」
「え?」
いともアッサリと見合い写真を引き取ってしまった恵介伯父に、大葉は逆に拍子抜けしてしまった。
「せっかく持って来て頂いた見合い話を反故にするって言ったのに……怒らないんですか?」
「だってたいちゃんの意志を尊重しなかったら七味ちゃんと柚子ちゃんの報復が怖いもん。――それにね、知ってると思うけど僕、果恵に恨まれるのだけは死ぬほど嫌なんだよ」
果恵とは大葉らの母の名、つまりは目の前の伯父にとっては実の妹の名だ。
「伯父さん、めちゃくちゃシスコンですもんね」
「失礼だなぁ。妹愛が強いと言って?」
クスクス笑う伯父の表情は、やはり母に似ている。
妹への愛を惜しみなく語る恵介伯父を見ていると、母・果恵の結婚の障壁が、両親であった祖父母よりも、この伯父だったと言うのにも頷けたのだけれど。
果たして自分にとってこの伯父は、羽理とのことの障壁になるだろうか?
恐らくそんなことにはならないと思いつつもちょっとだけ構えてしまうのは、さっき倍相岳斗に脅されたからかも知れない。
「相手は……財務経理課の女性です」
「もしかして……荒木羽理さん?」
「えっ!? ……な、んで……それを!?」
「やっぱりアタリかぁー。法忍仁子さんも綺麗な女性だけど、たいちゃんの好みで考えると荒木さんかな?って」
ククッと笑いつつ。
「――何年キミの伯父さんをやってると思ってるの?」
と付け加えられてしまっては、言葉に詰まるしかない。