あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
七味の話によれば、柚子はお冠な羽理の手前、そのことを大葉に電話するのが難しい状態なんだとか。
でも、羽理と大葉がこうなったのは自分のせいだという自覚はあるらしく、少しでも早く弟にこうなった原因を話して、羽理との間に生じた綻びを修繕して欲しいらしい。
そんな柚子が苦肉の策で思い付いたのが、察しが良くて頼り甲斐のある姉――七味――のことだったのだ。
『たいちゃんの彼女さんの目を盗んで大急ぎで送ってきたのかしらね? 要点だけ掻い摘んだ物凄く端的なメールだったから私にも詳しいことはよく分からないんだけど』
そう前置きしてから七味が窺うように続けてきた。
『ひょっとしてたいちゃん、彼女……羽理さんだっけ? その子にお見合いを打診されてること、全く話してなかったの?』
七味の声音に、どことなく非難するような響きを感じて、大葉はちょっとだけそれを肯定するのを躊躇って。
「……そ、その……ど、どうせ断るつもりだったし、下手なこと言って、羽理に要らん心配を掛けたくなかったんだ。だから――」
情けなくもしどろもどろでそう返したら、『言い訳しないの!』と即座に叱られてしまった。
でも、羽理と大葉がこうなったのは自分のせいだという自覚はあるらしく、少しでも早く弟にこうなった原因を話して、羽理との間に生じた綻びを修繕して欲しいらしい。
そんな柚子が苦肉の策で思い付いたのが、察しが良くて頼り甲斐のある姉――七味――のことだったのだ。
『たいちゃんの彼女さんの目を盗んで大急ぎで送ってきたのかしらね? 要点だけ掻い摘んだ物凄く端的なメールだったから私にも詳しいことはよく分からないんだけど』
そう前置きしてから七味が窺うように続けてきた。
『ひょっとしてたいちゃん、彼女……羽理さんだっけ? その子にお見合いを打診されてること、全く話してなかったの?』
七味の声音に、どことなく非難するような響きを感じて、大葉はちょっとだけそれを肯定するのを躊躇って。
「……そ、その……ど、どうせ断るつもりだったし、下手なこと言って、羽理に要らん心配を掛けたくなかったんだ。だから――」
情けなくもしどろもどろでそう返したら、『言い訳しないの!』と即座に叱られてしまった。