あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
だが、「あっ。課長から電話がかかってきました! 夜にもらってたメッセージ、ずっと未読のままだったからでしょうか。既読にした途端……」と言われては、平常心でいられるわけがない。
「さ、さっさとスマホの電源落としてしまえ!」
自分がわざわざ羽理のマンションから取って来たくせに、羽理が手にした端末が忌々しくてたまらない。
思わずそんなことを言ってしまった大葉に、羽理が「何でですかっ」と本気で分からないみたいに言うから……。
大葉は「お、俺と話してる最中だからに決まってるだろう!」と、自分でも何言ってんだ?と思うような理由を述べずにはいられなかった。
そうこうしている間にも、羽理の手の中の端末はブルブルと震えながら着信を知らせてきて。
我慢出来なくなったのだろう。羽理が、「もう、わけ分からないこと言わないで下さい。私、出ますからね!?」と宣言して、大葉が抗議する間も与えず「もしもし」と電話に出てしまった。
「あぁぁぁ!」
その、男心を全く意に介さない羽理の情ない態度に、思わず悲痛な叫び声を上げてしまった大葉だ。
その声を拾ってしまったらしい電話の先で、倍相岳斗が『あれ? 荒木さん、ひょっとして誰かと一緒?』と問うてきて。
羽理はちらりと大葉――と彼の足元にちょこんとお座りするキュウリ――を見遣ると、「か、可愛いワンコとその飼い主が、私の《《足元にいる》》だけです!」と、さらりと主体をキュウリにしてしまう。
「なっ!」
そのことに抗議しようとした大葉の口を、羽理は電光石火の速さでムグッと押さえつけて封じると、「ところで倍相課長、こんなに朝早く何の御用ですか?」と話題を変えた。
「さ、さっさとスマホの電源落としてしまえ!」
自分がわざわざ羽理のマンションから取って来たくせに、羽理が手にした端末が忌々しくてたまらない。
思わずそんなことを言ってしまった大葉に、羽理が「何でですかっ」と本気で分からないみたいに言うから……。
大葉は「お、俺と話してる最中だからに決まってるだろう!」と、自分でも何言ってんだ?と思うような理由を述べずにはいられなかった。
そうこうしている間にも、羽理の手の中の端末はブルブルと震えながら着信を知らせてきて。
我慢出来なくなったのだろう。羽理が、「もう、わけ分からないこと言わないで下さい。私、出ますからね!?」と宣言して、大葉が抗議する間も与えず「もしもし」と電話に出てしまった。
「あぁぁぁ!」
その、男心を全く意に介さない羽理の情ない態度に、思わず悲痛な叫び声を上げてしまった大葉だ。
その声を拾ってしまったらしい電話の先で、倍相岳斗が『あれ? 荒木さん、ひょっとして誰かと一緒?』と問うてきて。
羽理はちらりと大葉――と彼の足元にちょこんとお座りするキュウリ――を見遣ると、「か、可愛いワンコとその飼い主が、私の《《足元にいる》》だけです!」と、さらりと主体をキュウリにしてしまう。
「なっ!」
そのことに抗議しようとした大葉の口を、羽理は電光石火の速さでムグッと押さえつけて封じると、「ところで倍相課長、こんなに朝早く何の御用ですか?」と話題を変えた。