あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
今の仁子に、「裸なのは彼の方だけじゃないの」だなんて事実は、口が裂けても言えるはずがない。
「倍相課長は可愛い女の子も一緒に住んでるみたいですって言ってたけど、絶対嘘でしょ?」
タクシーの中でそんな話を聞かされたのだと前置きをして「さぁ、お姉さんに白状してごらん?」と不敵に笑う仁子に、羽理は「そっ、それはホントだもん!」とプリティー・キュウリちゃんのつぶらな瞳を思い出しながら懸命に言い募った。
「ふぅ〜ん? まぁ、羽理のことだからこっちが頑張って聞き出さなくてもすぐにボロが出るだろうし? 今はこの辺にしといてあげるっ♪」
クスッと笑って帳簿に向き直った仁子に、「失礼なっ」と返したと同時、
「荒木さーん、ちょっといいかなぁ?」
課長の倍相岳斗から声を掛けられてしまった。
***
「これ、今朝営業の方から上がってきた領収書なんだけど……仕訳とか頼める?」
「もちろんです」
「ごめんねー。いつも都度都度出すよう向こうの課長にも掛け合ってるんだけど……どうも三人ほどグゥタラなメンバーがいるらしくて」
倍相の視線に、手渡された紙束にちらりと視線を落としてみれば、成る程というべきか。
二ヶ月近く前のものも混ざっていて――。
羽理は小さく落胆の吐息を落とした。
(あー、変なのが混ざってませんように……!)
羽理がそう思ったのも無理はない。
「倍相課長は可愛い女の子も一緒に住んでるみたいですって言ってたけど、絶対嘘でしょ?」
タクシーの中でそんな話を聞かされたのだと前置きをして「さぁ、お姉さんに白状してごらん?」と不敵に笑う仁子に、羽理は「そっ、それはホントだもん!」とプリティー・キュウリちゃんのつぶらな瞳を思い出しながら懸命に言い募った。
「ふぅ〜ん? まぁ、羽理のことだからこっちが頑張って聞き出さなくてもすぐにボロが出るだろうし? 今はこの辺にしといてあげるっ♪」
クスッと笑って帳簿に向き直った仁子に、「失礼なっ」と返したと同時、
「荒木さーん、ちょっといいかなぁ?」
課長の倍相岳斗から声を掛けられてしまった。
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「これ、今朝営業の方から上がってきた領収書なんだけど……仕訳とか頼める?」
「もちろんです」
「ごめんねー。いつも都度都度出すよう向こうの課長にも掛け合ってるんだけど……どうも三人ほどグゥタラなメンバーがいるらしくて」
倍相の視線に、手渡された紙束にちらりと視線を落としてみれば、成る程というべきか。
二ヶ月近く前のものも混ざっていて――。
羽理は小さく落胆の吐息を落とした。
(あー、変なのが混ざってませんように……!)
羽理がそう思ったのも無理はない。