幼馴染との約束
沙良は目を覚ました。




「悠希…?」




久しぶりの沙良の声は元気を失っていた。




「沙良、、ごめんな。今までも今回も。お前のこと守れなくてよ」




小さく顔を振る沙良。




「ううん、大丈夫。」




「俺、沙良のこと覚えてるよ。だけど、覚えてない振りをした。そしたら、沙良を守ることが出来ると思ったから。俺は総長。総長の女は誰よりも狙われる。」




「こーやって悠希が助けてくれるじゃん?それだけで嬉しいよ」




俺は、沙良と再会した時から接し方を間違えたのかもしれない。




俺が守ってやれば良かったんだ。




「は!?おめぇら、どーいう関係??俺らいるの忘れてない!?」




その場にいるみんなのことを忘れていた。




まあ、無理もねーな。




守るためとか言って、沙良とは関わらなかったし。




「沙良は俺の幼馴染だよ」




みんながビックリしたような顔で見つめてくる。





「えー!?マジ!?全然見えなかったんだけど!!」


「初耳!」


「隠してたの!?」




騒ぎ始める春樹や圭介を静めたのは樹だった。
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