生意気な後輩はどうやら私のことが好きらしい
生意気な後輩と秘密の同居
「せーの、いただきます」
食事の際は決まっていつも日向が号令を取る。
今日も席について一番最初に手を合わせたのは日向だった。
「「「いただきます」」」
続けて、私達3人も声を揃える。
今は夕食の真っ最中。
テーブルいっぱいに並べられている料理を見ると、誰かの誕生日、もしくは何かの記念日だったかな?と勘違いしてしまいそうになる。
「渚くん、遠慮せずにたくさん食べてね。今日は渚くんの歓迎会なんだから」
言わずもがな、これは九条渚のために用意されたもの。
「ありがとうございます」
「渚くん、嫌いな食べ物はある?」
「特にないです」
「偉いわね、日向も見習わなきゃ」
「えー」
「えーじゃないでしょ、ほら、ちゃんとお野菜も食べて」
お母さんと九条渚、それから日向が和気あいあいと話す中、黙々とご飯を口へと運ぶ私。
最初はなんで私が九条渚の隣の席!?そう思ったけれど、案外この席で良かったのかもしれない。
だって、未だに頭の中は混乱中。
正面から顔を見るなんて100%無理。