生意気な後輩はどうやら私のことが好きらしい
夕食後はいつもと変わらずお母さんとあと片付け。
その後、日向と一緒にお風呂に入った私は一足先に部屋へと戻り、就寝の準備を始めた。
九条渚は入浴中。
よって現在、隣の部屋には誰もいない。
その解放感から、自然とこぼれ出る鼻歌。
本当はもっとこの自由な時間を満喫したいけど、今日はもう寝よう。
また余計な話を聞く前に。
……そう決めて、ベッドに入り30分。
目を瞑ってみたものの、睡魔が訪れる気配はない。
それもそのはず。時刻はまだ21時。
普段ならベッドにすら入っていない時間だ。
漫画でも読む?
いや、でも余計目が冴えそうだしな……。
スマホ……も同じか。
そんなことをぐるぐる考えていると、隣からガチャと音がした。
バタンと閉まるドア、その音に思わず息を呑む。
もう戻ってきちゃった。
また何か話し始めたらどうしよう。
そう思ったが、隣の部屋からは物音ひとつ聞こえてこない。
もしかして、九条渚も眠るつもりなのだろうか。
このままじゃ私は眠れそうにないから、先に九条渚が眠ってくれればいいのに。