生意気な後輩はどうやら私のことが好きらしい
そして、例によって始まる独り言。
「……お風呂上がりの穂波先輩すげーいい匂いした」
なっ、何を言い出すかと思えば……!
本当に何言ってるの!?
「意識全部そっちに集中して、何も喋れなかった」
……だから、2人きりのとき無言だったの?
「穂波先輩が髪乾かしてくれるとか、もうこれ同棲だろ」
同居だよ!
何だかこれ、お風呂でばったり会うよりも恥ずかしいんですけど。
ていうか……薄々気づいてたけど、こうやって毎日壁越しに聞こえてくる声と心の中で会話をする私も結構、やばいのかもしれない。
「でもなー、」
「もっと警戒心持ってくれないと死ぬ。俺の理性が」
その言葉にボンッと火が付いたように赤くなる顔。
今度は耳まで真っ赤だ。
隣にいる渚はどんな顔してるんだろう。
なんて、考えてしまう時点でこの気持ちはもう──。