生意気な後輩はどうやら私のことが好きらしい


チュンチュン、と小鳥のさえずりで目を覚ます日曜。

私は今、ベッドの上で身動きひとつ取れずにいる。


私が“異変”に気づいたのは5分前のこと。

いつものように目を覚ますと目の前には真っ黒い壁が。

おかしいな、私の部屋の壁紙は白なのに。

不思議に思ってその壁に手を伸ばすと何だか温かい。

それに、ドクドクって音が……。

ん…………音?

よーく、目を凝らしてみると壁ではなく布。

それも、昨日私はそれを見た。

間違いでなければこれは……。

恐る恐る、視線を上へと上げる。

というか、もう確認しなくてもうっすら気づいている。

この温かさ、頭上から聞こえる寝息から、目の前にいるのは人間だということに。

しかも、それが渚だということに。

でも、一応見上げてみる。

「(やっぱり……!)」

そこにはスヤスヤと気持ちよさそうに眠る渚の顔。



どうしてこんな状況に陥ったのか。

それは昨夜のこと。



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