生意気な後輩はどうやら私のことが好きらしい
手探りだった恋の行方
同居生活終了まで残り3日。
3連休が終われば渚は自分の家へと帰る。
昨日、改めて自分の気持ちを思い知った私は今度こそこの想いを伝えたい。
そう思った。
「じゃあ、頑張ってね穂波ちゃん!」
「が、頑張る!」
放課後、いつものカフェ。
告白宣言をした私にすずちゃんは力強いエールをくれた。
「ふぅ、いつもどおり。いつもどおり」
家のドアを開ける前にそう何度も繰り返す。
駐車場には渚の自転車が置いてあったから、先に帰宅しているはず。
同居終了日まではあくまでも自然に過ごさないと。
「ただいまー」
緊張した面持ちでドアを開けると、聞こえてきたのは日向の大きな泣き声。
それに驚いた私は慌てて靴を脱ぎ捨て、声のする方へと走った。
「日向!?」
リビングにはお母さんと渚、それから渚の膝の上で大粒の涙を流す日向。
「ど、どうしたの?怪我でもした?」
「うっぐ……ふっ…っん」
日向は返事をする代わりに首を横に振る。
「お、お母さん何があったの」
日向が泣いているというのに、お母さんは近くで見守るばかり。
代わりに渚がポンポンと優しく日向の背中を叩く。