深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
プロポーズ
「ごめん!」
ホテルのラウンジで、恋人は私に謝罪した。
今日は金曜日で、明日は私の三十歳の誕生日。それで、ここのホテルでお祝いしようと予約してくれたのは、目の前にいる彼。
私は仕事終了後に一人でチェックインして、あとから来るという彼を部屋で待った。
ラウンジまで来てと呼び出され、浮かれ足で降りてきたのに、彼の隣にはなぜか女が座っていた。
で、突然頭を下げられたのだ。
隣の女は妊娠しているという。彼の子を……。
しかも、「ごめんなさい」と泣いている。この状況で泣きたいのは、私だけど!
とりあえず、聞きたいことがある。
「いつから?」
「えっ?」
「いつから二人は、付き合っていたの?」
「いや、その、付き合ってはいなかった」
彼が目を泳がせて、答えにならない答えを口にする。
「付き合っていないのに、妊娠? それで、私と別れてくれ? どういうことなの?」
私の怒りに、彼は狼狽えた。
「ほ、ほんの出来心だったんだ……遊びというか、ほんの数回……その、俺はお前と結婚するつもりだったし……でも、男としてのけじめというか、責任を取ろうと……」
ホテルのラウンジで、恋人は私に謝罪した。
今日は金曜日で、明日は私の三十歳の誕生日。それで、ここのホテルでお祝いしようと予約してくれたのは、目の前にいる彼。
私は仕事終了後に一人でチェックインして、あとから来るという彼を部屋で待った。
ラウンジまで来てと呼び出され、浮かれ足で降りてきたのに、彼の隣にはなぜか女が座っていた。
で、突然頭を下げられたのだ。
隣の女は妊娠しているという。彼の子を……。
しかも、「ごめんなさい」と泣いている。この状況で泣きたいのは、私だけど!
とりあえず、聞きたいことがある。
「いつから?」
「えっ?」
「いつから二人は、付き合っていたの?」
「いや、その、付き合ってはいなかった」
彼が目を泳がせて、答えにならない答えを口にする。
「付き合っていないのに、妊娠? それで、私と別れてくれ? どういうことなの?」
私の怒りに、彼は狼狽えた。
「ほ、ほんの出来心だったんだ……遊びというか、ほんの数回……その、俺はお前と結婚するつもりだったし……でも、男としてのけじめというか、責任を取ろうと……」
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