深まり愛～彼は一途な想いを貫く～
仕事をしていると、一日が早く過ぎる。忙しくしていれば、余計なことを考えずに済む。

恭也が言った「また」がいつ来るか、考えないようにした。そんな日は永遠に来ないかもしれないからだ。

「中田さん、お疲れ様です」

休憩スペースでお弁当を食べていた私の前に、高林さんが座った。

「お疲れ様です。うどん、美味しかったですか？」
「きつねうどんにしたんですけど、美味しかったですよ。中田さん、今度一緒に行きましょうよ」
「わあ、行きます！」

高林さんは先週オープンしたうどん屋に行ってきますと出ていった。私は感想を聞かせてと頼んでいた。美味しかったと聞けば、やはり味が気になって自分でも行ってみたくなる。

高林さんはコーヒーを飲んで、ひと息ついた。

「今日の午後、頑張ったら明日は休みですね」
「そうですね」
「中田さん、週末はデートですか？」
「あー、実は……彼と別れちゃった」

声のトーンを下げて、伝える。

高林さんは「うそっ」と、きれいにアイメイクされている目をまん丸にした。高林さんの声も小さくなった。

「どうして、別れたんですか」
「まあ、いろいろあって」
「そうですよね、何かないと別れませんものね。無神経なこと、聞いちゃってごめんなさい」
「ううん、気にしないで」
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