深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
またしても謝られてしまい、苦笑した。

「謝ることじゃないですよ。明日は天気良さそうですし、どこに行くんですか?」

高林さんはぬるくなったコーヒーをゴクゴクと飲んで、私の質問に答えた。

「彼がドライブしたいって言っているので、房総の方に行く予定です」
「へー、良いですね! あっちの方は海もきれいですよね。楽しんできてくださいねー」
「ありがとうございます」

笑顔になった高林さんに安堵し、弁当箱とスマホを持つ。

「そろそろ行きましょうか」
「はい」

高林さんと並んで、休憩スペースを出た。

デートか、いいな。

私は明日、何しよう。

部屋の掃除くらいしか予定がなく、虚しくなった。

これからのことを決めないといけないのに、考えるとまた気分が重くなる。

今は、仕事のことだけを考えるのが良い。任されることも増えてきたから、ここで長く働けるようにしたい。

そうすると、やはり部屋探しだな。

少し遠くなっても、恭也に偶然会わない場所に住むのがいいよね……。

本気で部屋探しをしよう。
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