深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
目に涙が浮かんできて、指輪がぼやける。彼は私の左手を自分の両手で包んだ。

彼の愛に包まれているのを感じる。

嬉しい……また一緒に過ごせる。これからは、ずっと一緒だ。

「さやか、ありがとう」
「私こそ……ありがとう」

手が繋がったままで見つめ合っていると、拍手が聞こえた。

お父さんと典子さんが手を叩きながら、微笑んでいた。

「おめでとう。私たちが愛を誓った二人の証人となるよ。二人が周りから何か言われることがあったら、俺たちが守るよ。なあ、典子」

典子さんはお父さんから言われて、私に目を向けた。

「もちろん、私も守らせてもらいます。だから、二人とも安心してね」

頼もしい味方ができた。

私たちは「ありがとうございます」と声を揃えた。

それからは、和やかに話をした。

「それにしても、あんなに小さかった子がもう結婚する年になるなんてね。私たちも年を取ったわね」
「そうだな」

しみじみ話す典子さんにお父さんは相槌を打つ。

典子さんは幼い頃の恭也を知っていたみたいだ。

「典子さんは、恭也の小さい時をご存知なんですね」

私が尋ねると、典子さんは目を細めた。
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