深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
「二歳までだけど、笑顔がとってもかわいい男の子だったわ。二歳の誕生日パーティーでは、確かくまのぬいぐるみをあげたんだけど、恭也さんは憶えていないかしら?」
「くまのぬいぐるみ……あ! もしかして、これですか?」

恭也はスマホを操作して、表示した画像を典子さんに見せた。

それを見た典子さんは「まあ!」と嬉しそうに笑った。

「そう、これよ! 今も持っていてくれてるの?」
「はい、今も実家にあります。この前、母から洗ったよと画像が送られてきたんです。弟が生まれるまでは私が持っていたんですけど、弟が欲しがったので譲りました」
「長いこと、大事にしてもらえて嬉しいわ」
「何度か洗っていますが、肌触りは変わらず良いです」

典子さんは両手を合わせて、とても喜んでいた。

お父さんだけではなく、典子さんとも繋がりがあったようで、話を聞いている私も嬉しくなった。

「既に一緒に住んでいるとはいえ、結婚は早めにした方がいいだろう。式をするまでには、いろんな段取りがあるから、まずはさやかさんのご両親と顔を合わせたいな。向こうの都合を聞いてもらえないか?」
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