深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
恭也は荷物を置くなり、私を抱き寄せた。

密着した彼から速く動いている心臓の音が伝わってくる。

興奮している?

私のキスが彼を煽った?

「あの、恭也……んんっ……」

キスをされ、何も言えなくなる。彼のキスは最初から、深くて……絡まる舌が熱かった。

応じるのが精一杯で、肩で息をする。

私を欲している彼の気持ちが、自分の体の中にとめどなく流れてきた。

腰が抜けていく私をしっかりと抱えて、ベッドに落とす。ネクタイを外しながら、私を見下ろす彼の瞳は、真剣だった。

「さやか……」

切なげに呟き、私の前髪を上げる。露わになった額にキスを落とし、フッと微笑んだ。

「好きだよ」
「私も好き……」

彼は私を抱きしめてから、また濃厚なキスをして……全身を隈なく愛した。

触れ合う肌の感触に安心感を覚え、彼に身を委ねる。

満足するまで、好きにしていい……。

「くっ……さやかっ」
「ああ、あ……」

果てる時は一緒だ。

どこまでも彼に付いて行く。

再確認した愛は、お互いの想いをより強くした。
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