深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
恭也が道沿いにある公園を指差す。滑り台で遊ぶ親子の姿があった。

懐かしいな。

家族や友だちと遊んだ場所だ。

「うん、よく遊んだよ」
「小さい頃のさやか、かわいかっただろうな。お兄さんたちにもかわいがられただろ?」
「んー、うるさかったかな。あ、あそこ曲がったところがうちだよ」
「おう」

恭也は声の調子を整えるように咳払いをする。

玄関の前で止まり、スーツにほこりが付着していないかと確認していた。

「ネクタイ、曲がっていない? 髪、跳ねていない?」
「平気だよ。いつもと同じでかっこいいよ」

緊張する彼に微笑み、ドアを開けようとした。すると、先に中から開いた。

「そんなところで、いちゃつくなよ……ほお、確かにかっこいいな」
「明人(あきと)兄ちゃん……ビックリしたー」

顔を出してきたのは、我が家の長男の明人だった。その後ろに次男の郁人(いくと)もいた。

「よお、元気だったか?」
「うん。郁人兄ちゃん、久しぶりだね。あ、こちらが……」
「挨拶はあがってからにしなよ。どうぞ」

郁人兄ちゃんに誘導されて、恭也は「おじゃまします」と靴を脱いだ。

父と母はリビングで待っていた。
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