深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
恭也はとても頼りになるし、優しい。何よりも私を大切に考えてくれている。こんな素敵な人はいない。私たちの気持ちを理解してもらいたい。

「だからー、こうやって挨拶に来たんだよ。大事なことだから、家族の承諾を得ようと思って、お願いに来たの!」

わからず屋の兄たちの顔を見ているうちに、感情的になり、声が大きくなった。兄たちは揃って、やれやれといった感じで息を吐く。

こんなにもお願いしてるのに、まだ足りない?

どうしろと言うのよ……。

「さやかはどうしても、成瀬くんを手に入れたいんだろう。こんなにもイケメンなら、友だちにも自慢できるものな」
「ああ、そうだな。こんなにも面食いだったとは思わなかったけど、この顔を諦めきれなかったんだろうな」

兄たちが認めているのは、恭也の顔だけだった。確かに顔は良いけれど、彼は中身も良いのだ。

私はムッとした。

「顔だけで判断しないでよ。恭也はね……」
「さやか、待って」

恭也の良いところを並べようとしたが、恭也本人に止められてしまう。彼は、前のめりになる私を手で制止した。
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