深まり愛～彼は一途な想いを貫く～
クリスマス前日の昼休み、うどん屋に行った。街はクリスマスの飾りで、華やかに彩られている。

うどん屋でも、小さいクリスマスツリーが置かれて、クリスマスソングが流れていた。

誰もが浮かれているようだ。私もその一人である。

月見うどんを頼んでから、遥香さんと温かいほうじ茶を飲んでひと息つく。

「さやかさんちは、今夜どこでクリスマスディナーなんですか？」

先月入籍したことで、私の苗字は『中田』から『成瀬』に変わった。

それで、高林さんは下の名前で呼ぶようになり、私も彼女のことを遙香さんと呼んでいる。

私たちの親密度は上がり、昼休みは二人で過ごすことが多くなった。

「家ですよ」
「おうちもいいですね！　何を作るんですか？」
「作らないで、デリバリーを頼んでいます」
「デリバリー？　めっちゃ豪華なのを頼んでそう！」
「ああ、まあ……彼に任せたんだけど、奮発してくれたみたいです」

遥香さんの瞳がクリスマスイルミネーションのように、キラキラと光りだした。

私はたじろぎつつ、何を言われるのかと身構える。
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