深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
ネックレスを手にした恭也は、私の後ろに回った。装着しやすいようにと、首後ろの髪を真ん中で分ける。

露わになった部分に息が吹きかけられて、私はビクッと体を揺らした。恭也に向かって口を尖らせる。

「もうぉ、何よー」
「白い首が美味しそうに見えた。噛みつきたくなったけど、我慢したよ」

そんなことを言いながら、彼は突き出ている私の口にキスをする。

キスをしてほしくて、出した口ではない……。

「我慢したから、偉いとは言わないからね」
「えー、厳しいなぁ」

恭也の声は沈んだが、大してショックを受けてはいなく、どちらかと言うと上機嫌だった。

ネックレスをすんなり付けて、彼は私の正面へと移動した。私は髪を元に戻し、胸元に視線を落とす。揺れるダイヤモンドは照明を受けて、キラキラと輝いていた。

「きれい」
「さやか、顔をあげてよ……うん、良く似合っている」
「ほんと? ありがとう」

こんな高価な物をもらっておきながら、渡す物なこれとは……ガッカリされないかと心配になった。

「ごめん、さやか。さっき後ろに行ったから、見えちゃったけど、箱が大きくない?」
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