深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
同棲
かつて好きだった人と再会してからの日々は、慌ただしく過ぎていった。今年は、盆休みに実家へ帰省しなかった。
そして本日、大学卒業してから勤めた会社を退職した。
今住んでいるマンションは、あと二週間ほどで退去する。家電製品や家具はリサイクルショップで引き取ってもらう予定になっている。
成瀬のところには生活に必要な物は全部揃っているから、身の回り品だけ持ってきてと言われた。
最後に同僚から贈られた花束を抱えて、オフィスビルを出る。
職場の人たちは笑顔と拍手で見送ってくれた。元カレと別れたことは、まだ知れ渡っていない。
だから、結婚準備のための退職だと思う人もいた。肯定も否定しないで、曖昧に笑うことしかできなかった。
近々、真実を知るだろうけれど、私には関係のないことだ。
「中田、お疲れさま」
「えっ、成瀬……来てくれたの?」
あの日のあと、お互いの都合が合わなくて一度も会えていなかった。一応ほぼ毎日連絡は取っていたが。
私よりも成瀬のほうが忙しそうだった。そんな中で、私を迎え入れる準備を整えてくれていた。
わざわざここまで来てくれるとは、予想外だ。
成瀬は微笑みながら、私の荷物に手をかける。
そして本日、大学卒業してから勤めた会社を退職した。
今住んでいるマンションは、あと二週間ほどで退去する。家電製品や家具はリサイクルショップで引き取ってもらう予定になっている。
成瀬のところには生活に必要な物は全部揃っているから、身の回り品だけ持ってきてと言われた。
最後に同僚から贈られた花束を抱えて、オフィスビルを出る。
職場の人たちは笑顔と拍手で見送ってくれた。元カレと別れたことは、まだ知れ渡っていない。
だから、結婚準備のための退職だと思う人もいた。肯定も否定しないで、曖昧に笑うことしかできなかった。
近々、真実を知るだろうけれど、私には関係のないことだ。
「中田、お疲れさま」
「えっ、成瀬……来てくれたの?」
あの日のあと、お互いの都合が合わなくて一度も会えていなかった。一応ほぼ毎日連絡は取っていたが。
私よりも成瀬のほうが忙しそうだった。そんな中で、私を迎え入れる準備を整えてくれていた。
わざわざここまで来てくれるとは、予想外だ。
成瀬は微笑みながら、私の荷物に手をかける。