深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
でも、私の住むマンションは七階建てだし、元カレの住んでいるところも十階建てだ。友だちにもここまで高いところで暮らしている人は、誰もいない。

たぶんここ、三十階はある。こんな高層マンション……立地も良いし、絶対家賃が高い。

思わず身震いしてしまった。

家賃を半分出す予定でいたが、出せないような……うん、無理だ。

「中田、行くよ?」
「ちょっと、待って」
「どうした?」
「無理だよ」

私は首を左右に何度も振った。

私は明日から無職なのだ。もし仕事が見つかったとしても、ここに住めるだけの収入が見込める可能性は低い。

成瀬が怪訝そうに訊ねた。

「無理って、なにが?」
「こんなとこ、住めないよ。家賃、払えないもの」
「払わなくていいよ。そもそも払ってもらおうと考えていない」
「ええっ! 何言ってるの? 私の分は払うよ。でも、ここだと半分も払えないと思う……ごめん、一緒に住む話はなしにしてもらえる?」

私の要求に成瀬は「えっ?」と戸惑いの表情を見せた。

「ちょっと、待って。なしにはしないよ。俺、なんか不快になること言った?」
「ううん、言ってない。ただ私の身の丈に合わないというだけ」
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