深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
私たちにとっての新しい生活は、ここから始まる。  

どんな未来が待っているかは、わからない。   

「どんなに辛くても中田がいてくれたら、頑張れる。中田……あ、さやかって、呼んでもいい?」
「うん、いいよ。私も恭也って、呼ぶね」
「うん! さやか、よろしく」

眩しい笑顔を見せる恭也に私も微笑んだ。


二週間後に私はダンボール箱に詰めた荷物を五つ、恭也のマンションに運び入れた。

ほとんどが衣類である。

荷解きをしていると、ドアをノックされた。今日は平日だから、恭也は仕事である。

荷物が少ないから、私ひとりで対応できると話したのだが、早めに帰ってきたようだ。

まだ外は明るい。

「恭也?」

ドアの向こうに、スーツの上着を手にした恭也がいた。

「いらっしゃい」
「今日からよろしくお願いします」

私はかしこまってお辞儀をしてみた。恭也は柔らかい表情で、笑う。

「こちらこそ、よろしく。何か手伝うこと、ある?」

私は室内に目を向けた。残る箱はあと一つだけになっている。

それほど時間かからなく、終わりそうだ。
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