深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
恭也も楽しみだと頬を緩ませている。

一応恋人という関係だけれど、まだ買い物に出掛けたくらいで、デートらしいことはしていない。

ソファに座る時やベッドで寝る時は当たり前のように隣に並ぶが、まだ口と口を付けたキスをしていない。

恭也が一方的(拒まないけど)に頬や額にキスをするくらいだ。

焦らず、ゆっくり進めていくと言われた。

私の気持ちを優先してくれる恭也は、優しい。

だが、もどかしく感じることもある。

今、黒のパジャマ姿で隣に座る恭也はテレビを見ずに私を見ている。

「恭也……テレビ、見ないの?」
「うん。さやかを見ている方がいい」
「酔ってる?」
「かもね……」

見れば、彼の瞳はとろんとしていた。口を弓なりにさせて、私の肩に頭を付ける。

眠そうだ。

「そろそろ寝る?」
「うん、そうだね」

閉じかけていた目を開けて、あくびをした。

一週間頑張って、疲れているのだろう。

私は先に立って、恭也の手を引いた。

「ベッド、行くよ」
「うん」

彼は嬉しそうな顔で、私に寄り添う。恭也の部屋に移動して、ベッドに転がった。
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