深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
恭也が首を傾げる。
「古谷さん、どうかされました?」
「今、うちの車を待っているところです。あの、先日はありがとうございました」
古谷さんは私を気にしながら、恭也と話す。
「こちらこそ、お邪魔しました。今日は趣味のおひとり様ランチですか?」
「そうなんです。成瀬さんはそちらの方……」
「私の交際している人です。車、来られましたよ」
近くに白いセダン車が止まり、運転席から40歳くらいのスーツ姿の男性が出てきた。
「沙奈子(さなこ)さま、お待たせしました」
「ありがとう……では成瀬さん、また」
沙奈子さま……運転手から『さま』付けで呼ばれる人なんだ……。
走り去っていく車を見送ってから、恭也の腕に手を添えた。
「あの人、どなた?」
『誰?』と聞くより『どなた?』と聞く方がふさわしい品のある人だった。
「取引先の社長の娘さんなんた。社長の秘書をしていて、この前挨拶行った時に会った」
「そうなんだ。きれいな人だね」
「確かに……きれいではあるな……」
歯切れの悪い言い方から、女性としての興味を抱いていないように感じた。
内心ホッとしていると、恭也が手を握る。
「古谷さん、どうかされました?」
「今、うちの車を待っているところです。あの、先日はありがとうございました」
古谷さんは私を気にしながら、恭也と話す。
「こちらこそ、お邪魔しました。今日は趣味のおひとり様ランチですか?」
「そうなんです。成瀬さんはそちらの方……」
「私の交際している人です。車、来られましたよ」
近くに白いセダン車が止まり、運転席から40歳くらいのスーツ姿の男性が出てきた。
「沙奈子(さなこ)さま、お待たせしました」
「ありがとう……では成瀬さん、また」
沙奈子さま……運転手から『さま』付けで呼ばれる人なんだ……。
走り去っていく車を見送ってから、恭也の腕に手を添えた。
「あの人、どなた?」
『誰?』と聞くより『どなた?』と聞く方がふさわしい品のある人だった。
「取引先の社長の娘さんなんた。社長の秘書をしていて、この前挨拶行った時に会った」
「そうなんだ。きれいな人だね」
「確かに……きれいではあるな……」
歯切れの悪い言い方から、女性としての興味を抱いていないように感じた。
内心ホッとしていると、恭也が手を握る。