深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
私も恭也と同じことを思い、典子さんに伝えた。

「俺たちは親たちと違う。そうだろ? さやか」

同意を求められて、思わず頷いた。

そうだけどと、否定しないとならないのに……私は逆に納得させられそうになっている。

恭也はスプーンを手に取った。

「食べてから、また話そう。冷めてしまうからね」
「うん、そうだね」

サラダは食べ終えていたが、ハヤシライスには、どちらも手を付けていなかった。話は終わっていないが、まずは胃袋を膨らまそう。

私たちは、ほぼ同時に食べ始めた。

「美味しいー」
「うん、うまいな」

嫌な気持ちが薄れていく。食べ物に罪はない。作ってくれた人に感謝して、しっかりと味わった。

しかし、どうしても考えてしまう。

お互い無言で食べているけれど、話さないと解決しない。それも、別れる方向に話を進めるようにしなければ……。

先に食べ終えた恭也は、水を飲んでからまた腕組みをした。何かを考えるように視線を斜め上に向ける。

何を言われるのだろうかと胸騒ぎがする中で、私は最後のひと口を食べ終えた。ペーパーナプキンで口元を拭い、微かに息を吐く。
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