深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
「恭也がそう思っても、周りの人はそう思わないよ。それで、私のことを非難する人も多いと思うの。そういうのに耐えられる自信がない。人からの目が怖いの……」
「さやか……俺が絶対に守るよ」
「恭也なら、守ろうと頑張ってくれると思う。でもね、限界があると思うの」
「限界なんかない。どこまでも守る」

彼から目を逸らさないで、伝えた。

「お願い……私を苦しませないで」
「俺といることで、さやかが苦しむと言うの?」
「そうよ。恭也から離れたら、私は苦しむことがなくなる。逃げてしまうことになるかもだけど、許して」
「逃げだとは、思わないけど。別れたら、さやかは苦しみから解放される?」

別れたら……私は恭也がいない世界を嘆き悲しみ、苦しむことになるだろう。

それでもいつか、過去になる。

彼の幸せを心から願うことができると、信じたい。

「うん、苦しむことがなくなる」
「そうか……わかったよ。俺の家の問題に巻き込んで、ごめんな」

沈んだ声を出す恭也を見て、心が痛んだ。

「ううん……私こそ……」

またもや言葉が続かない。自分が何を言おうとしているのか、わからなくなる。
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