深まり愛～彼は一途な想いを貫く～
長くても、三か月と考えている。

「んー、難しいな」

タブレットを膝の上に置いて、首を回した。あれこれ検索したけれど、これといった物件にめぐり合わない。こういうのは、タイミングなんだよね……。

自分が住みたい条件に合った物件を探すのは、容易ではない。

恭也のマンション、最高だったな。

あそこまで素敵な部屋には二度と住めない。ちょっとした夢を見せてもらった気分だ。

私は苦笑して、キッチンに行った。

時刻は、正午近い。休日に一人で過ごすことに、まだ慣れていない。恭也が作ってくれた料理が恋しくなった。

フレンチトースト、食べたいな。

自分で作ろうと考えたが、パンが何もない。食材確保のため、出掛けることにした。

確か、この辺りにパン屋さんがあった……ん？

パン屋を目指していた私は五階建てくらいの白い建物の前で、足を止める。一階がカフェだった。外に置かれているブラックボードにフレンチトーストの文字を見つける。

自分で作るよりも、はるかに美味しく、すぐにでも食べれられる！

カフェの自動ドアが開き、「いらっしゃいませ」と学生バイトと思われる女性スタッフに出迎えられた。
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