深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
自分の方が恭也に近い存在と牽制している。恭也と私はもう何の関係がないと……。
私が何も答えないでいると、古谷さんは話を続けた。
「今、結納の日程を決めているところです」
「結納……」
「そうなんです。私たちよりも両親たちが盛り上がっていて、早くしましょうって。で、彼が仕事を調整して時間を作ってくれているんです」
「そうですか……」
古谷さんの声は少し弾んでいた。恭也のことを『彼』と自然に口に出している。
「明日の夜、両家で食事の予定なので、その時に日取りが決まると思います」
「そうですか……あの、私予定があるので、すみません」
知りたくもない情報を伝えられても、反応に困る。私は腰を上げた。
「ああ! ごめんなさい、つい話しすぎちゃって」
「いいえ。失礼します」
軽く頭を下げて、レジに向かった。古谷さんは笑みを浮かべていたが、私の顔を強張っているように見えただろう。
思いのほか、早くに事が進んでいるようで気が滅入りそうになる。
恭也は、もう気持ちを切り替えたのかな。
私のことなんて、忘れているのかもしれない。
私が何も答えないでいると、古谷さんは話を続けた。
「今、結納の日程を決めているところです」
「結納……」
「そうなんです。私たちよりも両親たちが盛り上がっていて、早くしましょうって。で、彼が仕事を調整して時間を作ってくれているんです」
「そうですか……」
古谷さんの声は少し弾んでいた。恭也のことを『彼』と自然に口に出している。
「明日の夜、両家で食事の予定なので、その時に日取りが決まると思います」
「そうですか……あの、私予定があるので、すみません」
知りたくもない情報を伝えられても、反応に困る。私は腰を上げた。
「ああ! ごめんなさい、つい話しすぎちゃって」
「いいえ。失礼します」
軽く頭を下げて、レジに向かった。古谷さんは笑みを浮かべていたが、私の顔を強張っているように見えただろう。
思いのほか、早くに事が進んでいるようで気が滅入りそうになる。
恭也は、もう気持ちを切り替えたのかな。
私のことなんて、忘れているのかもしれない。