フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
カースト上位のメンズって、誰にでもこんなこと聞いて遊んでるんだろうか。自分に自信がなきゃ、絶対できないことだ。

でもこれ、よく考えたらフラグになりそうかもしれない。この二人のどっちかとって意味じゃなくて、私がこの手を使って誰かに聞いてみるとか。

ーーねぇねぇ、私と華だったらどっちと付き合いたい?

あ、無理だ。聞く勇気ないし、そもそも聞く前から答え分かるし。

「相崎さんはよく食べるヤツが好きなんだね。今度、俺と何か食べに行こうよ」

無邪気にニコッと笑う藤君は、イケメン。

だけどこうして話してみると、彼はチャラっとした見た目よりも可愛らしい感じの男子らしい。

「来てよ」

「え?」

「ウチに来てよ」

私の言葉に、藤君が目をまん丸にした。

「相崎さん、めっちゃ大胆じゃん!」

江南君が楽しそうな声を上げる。

「は?何が?」

「ちょっと小夏、ちゃんと言わないと分かんないでしょ。アンタの家が」

「あぁ」

そういえば、言うのを忘れてた。中学では私の家がなにしてるかなんて、誰でも知ってたから。

「ウチ、ラーメン屋だから。そこに食べに来てねって意味だよ」

「え、相崎さんちラーメン屋なの?」

「うん。ラーメン相崎って言うの。たくさん食べる人は売り上げに貢献してくれるから、好きなんだ」

私にとっては至極当たり前のことを言っただけ。なのにメンズ二人は顔を見合わせた後、思いっきり噴き出した。

「相崎さんおもしれー!」

「大食いが好きって、そういう意味かよ!」

またゲラゲラ笑ってるけど、なにが面白いのかさっぱり分かんない。

「相崎さん変わってるね」

「藤君にディスられた」

「ディスってないない!むしろ逆!」

藤君は笑顔のまま。

「今度行くよ。な、太一」

「おう!行く行く」

これは来ないやつ、社交辞令だな。

「絶対行くから、ね?」

少しだけ首を傾げながらそう言う藤君は、やっぱりあざと可愛かった。
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