フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
それから、皆でご飯を食べながら話に花を咲かせた。

「あそこの男子校に通ってるんだ。颯君って頭いいんだね」

「よくないけど、頑張りました」

「部活は入ってる?」

「はい」

「バスケ部でしょ」

「なんで分かったんすか?」

「だって、背高いから」

話してみれば、颯君は普通だった。口数は少ないけど、ちゃんと受け答えはしてくれる。

同い年だから敬語使わなくてもいいのに、数ヶ月早く生まれただけで私をお姉ちゃん扱いしてくれる颯君は、いい子だ。

「小夏ちゃん、本当に大丈夫?颯と暮らすこと」

「家族になるんだし、嫌もななはもないですよ。ずっと二人で暮らしてきたから、人数増えるの楽しみです」

私の返答に、陽子さんは優しい表情を浮かべた。

「ありがとう。私達も、海さんや小夏ちゃんと家族になれること、本当に嬉しいと思ってる」

「これからよろしく…お願いします」

颯君の控えめな言い方に、思わず顔が緩んだ。

なんか、颯君って可愛いな。私より背も高いし歳も変わらないんだけど、なんとなく憎めない感じっていうか、裏表がなさそう。弟属性って、こういう男子のことを言うのかもしれない。

これから、四人で楽しくやっていけるといいな。

お母さんもきっと、お父さんと私が笑顔で居ることを天国で願ってくれてるはずだから。
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