フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
「もちろん、バイト代は別で出すからさ」

「いや、そんなつもりじゃ」

「まぁまぁ。理玖さえよけりゃ見てやってくれよ。ウチの看板娘がバカじゃ示しつかねぇしよ」

「ちょっと、何それ」

「反省してんだろ?俺がお前に店手伝わせてるせいだってよ」

「別にそんな風には思ってないけどさー」

三苫さんに割り箸を渡して、私も自分の割り箸をパキンと割った。

「土日のお昼シフト入ってる時に、終わってからとかどうかな?」

「でも、ホントにいいんですか?迷惑じゃないですか?」

正直今なってちょっとつまずいてるし、試験前だけでも教えてもらえるとありがたいけど。

「迷惑なら最初から言わないから。俺も、復習みたいな感じ」

「ありがとうございます。じゃあ、試験前だけよろしくお願いします」

「こちらこそ」

ニッコリ笑う三苫さんは、やっぱり好青年。

「三苫さんっていい人ですよね」

「小夏ちゃんはホント、なんでも美味しそうに食べるね」

若干会話が噛み合ってない気がするけど、まぁいっか。

「だって美味しいもん」

「ハハッ、素直で可愛いね」

「おいおい理玖、俺の娘だからってお世辞言う必要ないんだからな?」

豪快に笑うお父さんを、呪いの目で睨んだ。そんな私を見て、三苫さんはまた爽やかに笑った。

勉強は好きじゃないけど、三苫さんに教えてもらうならやる気出るかも。イケメンに教えてもらう以上、恥ずかしい点取れない的な感じで。
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