フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
ーーそれから月曜日。勉強会のことを華から問い詰められて、私は隠すことなく正直に説明した。

「アンタはバカなの?」

「なにがよ」

「なんで焼肉食べ放題なんか行ってんのよ」

「だって食べたかったんだもん」

口を尖らせた私の頬っぺたを、華が両手の平でムニュッと挟んだ。

「現役大学生の真正面で肉ガツガツ食べれるアンタが信じらんないわ、私」

「らっへー」

「絶対彼氏作る気ないな」

「はりまふー」

だってフラグが立たないんだから仕方ない。誰かを好きになるためには、イベントが必須なんだから。

「ハハ、相崎さんが面白い顔してる」

ヒョコッと顔を出したのは、最近お馴染みの藤君。華に顔掴まれてる私を見ながら、ニコニコしてる。

「おはよ、藤君」

「おはよ隅田さん、相崎さん」

「あれ、江南君は?」

「寝坊だって」

「あららぁ」

「ねぇ、相崎さん」

寝坊の江南君を大して気にもしてない様子で、藤君が少しだけこっちに顔を近付ける。

「今日、放課後はバイト?」

「ううん、今日はないよ」

「じゃあ、一緒にきてほしいところがあるんだけど」

「ん?私?」

自分で自分を指差す私に、

「そう、相崎さん」

藤君はニッコリした。
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