フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
私は結構押しに弱いタイプらしいと気づく。藤君に子犬みたいな目で見つめられて、結局断れなかった。

私達は放課後、一香さんへ贈るプレゼントを一緒に選んだ。私が普段足を運ばないような、パステルカラーのふわふわ可愛い雑貨のお店。

一香さんのクレープ屋さんは、ピンクや白を基調とした可愛らしい雰囲気だった。

それに合わせて、ユニコーンモチーフのオブジェを購入した。そんなに大きくないから、お店にも飾りやすそうだ。

「ありがとう、相崎さん」

「私役に立てたのかな」

「もちろん。一香さん、絶対喜んでくれると思う」

「今から渡しに行くの?」

「今日定休日だから、また次に渡すよ」

「あ、そうなんだ」

確かにあのお店、藤君一人じゃ入り辛いと思うけど。だからまぁ、こんな私でも一応役に立ったんだとしたら、素直に嬉しい。

「相崎さん、時間はまだ大丈夫?」

街中を歩く藤君は、やっぱりイケメンだ。教室でもイケメンだけど、太陽の下にさらされるとさらに輝いて見える。

長めの前髪に、ちょっとハーフっぽい顔立ち。色素薄めの髪色が、キラキラ光ってて。

同じ高校、同じクラス、同じ人間。

なのにやっぱり、私とは違う。

「大丈夫だけど」

「じゃあ、軽く何か食べない?」

ニコッと笑う笑顔は、正に王子様。

「え」

「ダメ?」

「ダメじゃないけど…」

「じゃあ行こう」

藤君、私とご飯食べて楽しいのかな。なんて思いつつも、断る理由も浮かばなかった。
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