フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
♢♢♢

「いらっしゃいませー」

「お、こなっちゃん今日もベッピンさんだねぇ」

「言ってくれるのおじちゃんだけだよ」

「あんまりおだてんでくれよ。コイツが本気にしたら困るから」

「ちょっとお父さん」

「ハハッ、あんたら親子はホント面白いねぇ」


ーーらーめん相崎

それが、私達のお店。お父さんと私の二人暮らしで、お母さんは私が幼稚園の年長の時天国へ旅立っていった。

お父さんで二代目になるこのラーメン屋は、こじんまりしてるし超有名ってわけじゃないけど、近くに工業地帯もあって平日のお昼は作業員さん達で賑わってるし、休日は家族連れも多くて結構行列なんかもできたりする。

高校生になってからは、私もできる限り店の手伝いをしてる。って言っても、バイトさんも何人か居るし毎日ってわけじゃないけど。

「こなっちゃんは親孝行だねぇ」

「でしょでしょ?そうでしょ?」

「でもこなっちゃん、年頃の女の子がデートもせずに店の手伝いばっかりたぁちょっと寂しいなぁ」

ガハハと笑う常連のおじちゃんを、ジトリと横目で睨みつける。

「はいはい、お待たせしましたっ」

ドン!と少し乱暴にラーメンを置けば「アチッ」って声が聞こえた気がしたけど、気のせいかもしれないから無視しよう。

ちなみにウチのラーメンは細麺豚骨醤油。チャーハンと唐揚げも、娘の私が言うのもなんだけど結構おいしかったりする。
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