フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
部活終わりに合流した颯君は、黒のTシャツに細身のジーパンと、それからスポーツブランドのボディバッグ。

「あれ、着替えたの?」

家を出る時は確か、バスケのTシャツと短パンみたいな格好だったのに。

「汗臭いと、嫌かなって」

可愛すぎか。たかだか義理の姉とお昼ご飯行くだけなのに、そんな気遣いしてくれるんだ。

「わざわざありがとね。じゃ、行こっか」

「ん」

適度な距離に並んで、私達は歩き出した。

「颯君、なに食べたい?お腹空いてるでしょ?」

「肉、かな」

「おぉ、さすが。私もお肉大好き」

「いいの?なんかこう、パスタとかタピオカとかじゃなくて」

「アハハ、なにそれ。今日は二人でいるんだし、お互いが食べたいもの食べようよ。もちろん颯君がパスタとかタピオカ食べたいって言うならそれでもいいけど」

タピオカは食べ物として扱ったことないけどね。

「颯君より食べるかもね私」

「それはない」

「どうかなぁ、勝負する?負けたら今日のお皿洗い変わってね」

「いいよ、約束」

悪戯っぽく言うと、颯君はニカッと笑う。

段々距離が縮まって、颯君が少しずつ心を許してくれてるのが嬉しい。こうやって家族になっていくのかと思うと、ちょっとくすぐったい。
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