フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
私達が選んだのは、安くてボリュームたっぷりのステーキハウスだった。ランチが破格で、しかもライスお代わり無料という太っ腹加減だ。
「もーダメ、お腹いっぱい」
下腹をさすりながら歩く私を見て、颯君が小さく笑う。
「ほら、俺より全然食べない」
「ステーキ500グラムは無理だよー。ライスも三倍お代わりしてたし、颯君凄いね」
「実は俺もちょっと気持ち悪い」
「え、大丈夫なの!?」
「張り切って食い過ぎた」
「なにやってんのもう」
小さく笑いながら、彼の背中をさすった。最近やっと敬語も取れてきた気がする。
「ホントに大丈夫?ちょっと休もうか」
「いや、大丈夫」
なぜか急に挙動不審になった颯君に、私は立ち止まる。
「ちょっと休もうよ、なんか変だよ?」
「い、いやその…手、が…」
颯君の背中がピクリと反応したのが分かって、思わずさすっていた手を離す。
「ごめん、嫌だったかな」
「違う、違くて…そうじゃなくて…」
颯君はふいっと横を向いて、私と目を合わせようとしない。
「ドキドキしたっていうか…その…」
言いかけて、颯君はハッとしたように口をつぐんだ。
「ごめん、やっぱちょっと食べ過ぎた」
「ちょっと休む?」
「帰れば平気」
俯いてる颯君の耳が、心なしか赤い気がする。日差しが強いせいなのか、調子が悪いからなのか。
颯君はもともと口数の多い方じゃないけど、そこから家までの道のりは特に静かで。
彼が言いかけたセリフは、なんとなく続きは聞かない方がいいような気がした。
「もーダメ、お腹いっぱい」
下腹をさすりながら歩く私を見て、颯君が小さく笑う。
「ほら、俺より全然食べない」
「ステーキ500グラムは無理だよー。ライスも三倍お代わりしてたし、颯君凄いね」
「実は俺もちょっと気持ち悪い」
「え、大丈夫なの!?」
「張り切って食い過ぎた」
「なにやってんのもう」
小さく笑いながら、彼の背中をさすった。最近やっと敬語も取れてきた気がする。
「ホントに大丈夫?ちょっと休もうか」
「いや、大丈夫」
なぜか急に挙動不審になった颯君に、私は立ち止まる。
「ちょっと休もうよ、なんか変だよ?」
「い、いやその…手、が…」
颯君の背中がピクリと反応したのが分かって、思わずさすっていた手を離す。
「ごめん、嫌だったかな」
「違う、違くて…そうじゃなくて…」
颯君はふいっと横を向いて、私と目を合わせようとしない。
「ドキドキしたっていうか…その…」
言いかけて、颯君はハッとしたように口をつぐんだ。
「ごめん、やっぱちょっと食べ過ぎた」
「ちょっと休む?」
「帰れば平気」
俯いてる颯君の耳が、心なしか赤い気がする。日差しが強いせいなのか、調子が悪いからなのか。
颯君はもともと口数の多い方じゃないけど、そこから家までの道のりは特に静かで。
彼が言いかけたセリフは、なんとなく続きは聞かない方がいいような気がした。