フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
♢♢♢
夏休みも八月半ばに入り、夏休みの宿題も残りわずか。
藤君から連絡が来ることは、あれから一度もない。だってそんなの、当たり前だ。私が彼を、拒絶したんだから。
それなのにどうしても、胸のつかえは取れないまま。こんな自分勝手な気持ち、誰にも相談できない。
しかも今は、福間さんが脳内にぐいぐい割り込んできてる。あの告白以降も、彼は店にやってきては、おいしそうにラーメンを食べて帰る。
あんまりにも普通だから、私もつられてつい普通に喋ってる。
福間さんは、凄い。自分勝手に見えて、実は気遣いの塊なのかもしれない。だって私は、告白を保留にしてるようなものなのに。
「なぁ小夏。ウチの専門のオープンキャンパス来ねぇ?」
毎度お馴染みチャーシューの大盛をすすりながら、福間さんはそう言った。
「人呼べって言われてんだよ」
「でも私、美容のことなにも分かんないです
よ」
「バカ、だから来るんだろ?なぁ来いよ、人助けだと思ってさ」
そう言われると、断りづらい。
「ついでに、小夏の髪いじらせろ」
「えっ、か、髪?」
「俺のテク見たらお前惚れるぞ?」
いやらしい言い方をするな!
とまぁ、結局福間さんに押し切られる形で、私は華を誘って彼が通う美容専門学校へとやってきたのだった。
「いよいよ金髪ヤンキールートに突入?」
華がニヤニヤしながら肘でつついてくる。
「なによそれ…しかも突入しないし」
「でも髪いじらせてって言われたんでしょ?」
「練習としてってことだよ」
華には、福間さんから告白されたことはまだ言えずにいる。それから、藤君のことも。
「練習ってことはないでしょ。アンタ中途半端な長さだし、特別髪が綺麗ってわけでもないんだから」
「おい、失礼だな」
「アハハ、冗談だって」
カラカラ笑う華を、今度は私が肘でつついた。
「でもさ。今日でその福間さんのこと、色々知れたらいいじゃん。これは立派な恋愛フラグだって」
「だから、イケメンとの間にはフラグは立たないんだって…」
そう口にした自分の声は、普段の何倍も小さかった。
夏休みも八月半ばに入り、夏休みの宿題も残りわずか。
藤君から連絡が来ることは、あれから一度もない。だってそんなの、当たり前だ。私が彼を、拒絶したんだから。
それなのにどうしても、胸のつかえは取れないまま。こんな自分勝手な気持ち、誰にも相談できない。
しかも今は、福間さんが脳内にぐいぐい割り込んできてる。あの告白以降も、彼は店にやってきては、おいしそうにラーメンを食べて帰る。
あんまりにも普通だから、私もつられてつい普通に喋ってる。
福間さんは、凄い。自分勝手に見えて、実は気遣いの塊なのかもしれない。だって私は、告白を保留にしてるようなものなのに。
「なぁ小夏。ウチの専門のオープンキャンパス来ねぇ?」
毎度お馴染みチャーシューの大盛をすすりながら、福間さんはそう言った。
「人呼べって言われてんだよ」
「でも私、美容のことなにも分かんないです
よ」
「バカ、だから来るんだろ?なぁ来いよ、人助けだと思ってさ」
そう言われると、断りづらい。
「ついでに、小夏の髪いじらせろ」
「えっ、か、髪?」
「俺のテク見たらお前惚れるぞ?」
いやらしい言い方をするな!
とまぁ、結局福間さんに押し切られる形で、私は華を誘って彼が通う美容専門学校へとやってきたのだった。
「いよいよ金髪ヤンキールートに突入?」
華がニヤニヤしながら肘でつついてくる。
「なによそれ…しかも突入しないし」
「でも髪いじらせてって言われたんでしょ?」
「練習としてってことだよ」
華には、福間さんから告白されたことはまだ言えずにいる。それから、藤君のことも。
「練習ってことはないでしょ。アンタ中途半端な長さだし、特別髪が綺麗ってわけでもないんだから」
「おい、失礼だな」
「アハハ、冗談だって」
カラカラ笑う華を、今度は私が肘でつついた。
「でもさ。今日でその福間さんのこと、色々知れたらいいじゃん。これは立派な恋愛フラグだって」
「だから、イケメンとの間にはフラグは立たないんだって…」
そう口にした自分の声は、普段の何倍も小さかった。