フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
イケメン二人のノリにいまいちついていけないけど、クラスメイトだし無視するわけにもいかない。

因みに華は、

「藤君。顔が好みだから」

と秒速で答えを導き出した。

「よっしゃ!隅田さんは俺だって!」

イケメン藤君は顔をクシャッとさせて可愛く笑う。

「くっそー」

江南君は、ちょっと悔しそうだ。

「ねぇねぇ、相崎さんは?」

華に選ばれなかった江南君は、今度は私に詰め寄ってきた。

私は交互に視線を移しながら、

「自分のアピールポイント一個ずつ言ってみて?」

なんてちょっと上から目線の質問をかました。

「「背が高くてイケメン」」

「却下。見た目じゃなくて、中身のこと」

というかあなた達、どれだけ見た目に自信あるんだ。まぁ、じゃなきゃこんなおふざけな質問してこないか。イケメンのたわむれってやつ?

「んー、優しいとこ?」

江南君は、自分で自分を優しいって言っちゃうらしい。

「中身か、なんだろ。大食いなとこかな」

「諒、それ中身か?」

「だって思いつかねぇもん」

ちょっと頬を膨らませる藤君は実にあざと可愛い。

「私も藤君、かな」

腕組みしながら割と本気で悩んだ後、私はそう答えた。

「お、マジ?」

「よく食べる人が好きだから」

「えぇ、相崎さんも諒なの?俺優しいよ?大食いなんか別に長所じゃねーじゃん!」

「あくまで私の主観だから。食べる人が好きっていうの」

「よっしゃ、二人とも俺だってさ。残念だったな、太一」

「くっそ、絶対顔だろ」

喜ぶ藤君と、拗ねる江南君。というかそもそも、二人ともモテモテじゃん。華はともかく、私のジャッジなんてなんの意味もないと思う。

「でも相崎さん、面白いね。見た目で決めないんだ」

機嫌のいい藤君が、私に向かってそう言った。

「だってどっちもイケメンじゃん」

「「だよなぁ」」

「なんなのよ、アンタらは…」

さすがに呆れた声を出す華に、私も同意の意味を込めて大きく頷いた。
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