ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜
「四が五に増えた?……あ、これって!」

 一つ分かったかも知れないと、思わず声を上げた。
 同時に生徒玄関へ続く曲がり角を曲がる。

 すると、目の前がまた霞がかった。


 目の前が晴れると、戻って来た覚えもないのに目の前には保健室のドア。

 スマホは手に持ったままの状態で、さっきのアプリ画面のままだ。

 数字も5/10のまま。


 やっぱり保健室には入らないとないってことなんだろう。

 ちょっと残念に思ったけれど、光明が見えたのでそこまで落ち込みはしなかった。

 落ち込むよりも、新にも報告してわたしの考えが合ってるか一緒に考えて欲しい。


「新!」

 わたしは喜びのまま元気に彼の名前を呼んで保健室の中に入った。
< 13 / 47 >

この作品をシェア

pagetop