ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜
「で? そのアプリがループの数を表示してるんだっけ?」

 見せてみろよ、と促されてわたしは手に持ったままだったスマホをつけた。

 ロックを解除して新に見せながら、ん? とあることに気づく。


「確かに5/10ってなってるな。……てか、なんだこの施錠中って?」

 新も気づいたそのメッセージ。

 保健室に入るまではなかった表示だから変なの、と思う。


 あ、でも。

「……そういえば、このアプリに気がついたのって解錠しましたって通知があったからだ」

「解錠、ね……とりあえず確認してみるか」

 言うと、新はすぐに立ち上がってドアの方に向かった。

 わたしもついて行って新がドアを開けようとするところを見る。


 普通に開かなかったみたいで、力いっぱい引いてみたり内鍵を開け閉めしてみたり。

 思いつきそうなことは一通り試したけれど開かないみたいだった。


「はぁ、マジか……。これ、本当に不思議な力が働いてるって状態みたいだな」

「……みたいだね。でも何で閉じ込めるんだろう? 前回“解錠しました”って表示が出たってことは、多分今回も少しすれば鍵開くんだろうし……何がしたいのかな?」

 わたしの疑問に新はしばらく黙って考え込む。

 新にばかり考えさせるわけにもいかないと思って自分でも考えてみるけれど、全く分からなかった。


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