ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜

 熱のこもった声と眼差し。
 それはわたしにもすぐに移ってしまって……。

「あ、らた……?」

 ドキドキと鼓動が早まって……息をするのが少し苦しくなる。

 近づいて来る顔に、今度こそキスされるのかと思って目をつむったけれど……。


 新の吐息が唇を掠めたかと思ったら、スッと離れて耳たぶにチュッと口づけされた。

「っ⁉」

 唇にされてもどうすればいいのかと思っていたけれど、耳たぶにされても恥ずかしくてどうすればいいのか分からない。

「ほのか……」

 しかもそのまま耳に直接囁かれたものだから心臓はもうバックンバックンと止まらない。


「ほのかは、俺のこと……」

「っえ?」

 続きの言葉が無くて、聞き返してみたけれどその返事はなかった。

 わたしに覆いかぶさっている状態だから、新の表情も見ることが出来ない。


 新の爽やかな香りを感じて、制服越しに彼の体温を感じて……耳に直接吐息を感じて。

 それだけでわたしは溶けてしまいそうなほど熱くなった。

 今声を出したらまたさっきみたいに変な声が出てきてしまいそうで、どうしたの? と聞き返せない。

 そうしていると、また耳に直接囁かれた。


「……ごめんほのか。これ以上変なことしないから、このままでいさせてくれ……」

「新……?」

 本当にどうしたのか。

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