ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜
すべてをひとつに
 何とか心を落ち着かせて、大きく深呼吸をする。

 次で最後。


 例のアプリはまだわたしのスマホに入っている。

 10/10という表示になっているそれはこのループがこれで最後だという事を物語っていた。

 もう一度深く息を吐き、ゆっくり横開きのドアを開ける。

 同じようにゆっくり閉めると、スマホ画面に施錠中の文字が加わった。


 オレンジ色に染まったカーテンに手をかけ、そっと開ける。

 白いベッドには、数時間前から何度も見ている幼馴染の姿。


「新……」

 さっきとは別の新。
 でも、同じくわたしの大好きな新だ。

「ほのか……」

 わたしの名前を呼んで目を開けた彼に、わたしは同じように説明をした。


「……マジかよ」

 録音した音声を聞き終えてそう呟いた新は、今までで一番不機嫌そうで……。

 それでも行動は同じで、保健室のドアが開かないことを確認してからベッドに戻って来た。


「で? ループは今で最後ってことか? ドアが解錠すれば終わり?」
「うん、多分」

 なんだかいっぱいいっぱいになっていたわたしは、立っていられなくて新の隣に座り答える。

 確証がある訳じゃないけれど、多分終わりだと思う。

 前の新が言ったように、彼が見たお祖父さんの夢が原因ならきっと酷いことにはならないだろうから。


「そうか……」

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