ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜
 胸に残っていた物悲しい気持ちも忘れて、今はただただ恥ずかしい。

「その反応……事実、なんだな。何なんだよ、こいつら」
「え?」

「全部俺なんだろうけど……嫉妬する」
「え? 嫉妬?」

 新が何を言っているのかが分からない。

 だって、この音声は全部新が録音したものだ。

 自分自身に嫉妬してるってこと?


「抱きしめたとか、足にキスしたとか、押し倒したとか……今の俺は覚えてねぇだろうが!」
「新?」

「ほのか……俺、小さいころからほのかのこと好きだったよ」
「え?」

 突然の告白に、受け入れる準備もしていなかったわたしはポカン、と口を開けて聞いていた。


「中学の終わりからこんな風によく倒れて、弱そう、カッコ悪いって言われるようになって……周りの俺への態度も変わって……」

「え? そんなこと……。新の側にはいつも人がいて、人気者で……」

「教室ではな」

 カッコ悪いなんてこと有り得ない、新は人気者なのにって否定しようとしたのに、キッパリと言われる。


「教室では前みたいに一緒にいるやつはいるよ。でも、倒れるたびに“ああ、またか”って目で見られて、放課後や休みの日はいつ倒れるか分からないからって遊びも誘われなくなった」
「そんな……」

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