ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜
エピローグ
 抱き合って、唇を触れ合わせているだけで多幸感に包まれて……。

 どれくらいそうしていたのか分からない。

 ただ、ポン……という通知の音に、ゆっくり離れた。


 お互い照れ臭そうに微笑み合って、起き上がる。

 気恥ずかしさを誤魔化すように通知を確認すると、今回は少し表示が違っていた。

「……これって……」

「ん? どうした?」

 わたしのつぶやきに新もスマホを覗き込む。


「『保健室のドアが解錠されました』? あとこれって……」

 そう。
 解錠の通知以外にももう一つ。


『お二人さん、仲良くな』


 同じアプリのアイコンに、そんなメッセージの通知。

 それはまるで親しい人からの言葉の様で……。


「……やっぱり、祖父さんの仕業だったのか?」
「……そう、なのかな?」

 確かな答えなんてないから、曖昧に返事をする。

 でも、多分そうかもしれないとは思った。


「でも何で新のお祖父さんが夢に出てきたの?」

 思えばそこから不思議だった。

 夢枕に立つのなら普通住んでいた家とかじゃないのかな?


「ああ。そういえば祖父さんって教師やってて、昔この学校に勤めてたって聞いたな」

 それでかもな、と呆れを含んだ困り顔で新は笑う。

「そうなんだ……」

 と答えながら、わたしも困り笑顔を返した。


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