ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜
 まさか、このまま無限にこの時間を繰り返す、なんてことになるんだろか?

 そんな不安が一度沸き上がると、どうしようもなく怖くなってくる。

 新は毎回変わった様子はないからループしているのはわたしだけなんだろう。


 ブルッと、身体が恐怖に震える。

 怖くて、どうしようもなく怖くて。

「っ! 新!」

 わたしは唯一頼れる幼馴染の名前を呼び保健室の中に入った。


 カーテンを開けると、はじめの呼びかけで飛び起きたのか新は上半身を起こした状態で驚きの表情をしている。

「ほのか? どうしたんだよ、そんなに慌てて……」

「ごめん、突然こんな事言ったら混乱するだろうって分かってるんだけど……!」

 そう断りを入れてから、わたしは今体験していることを初めから話した。

 信じてもらえないかもしれない。
 ううん、信じられない方が普通だ。

 でもわたし一人で抱え込むには怖くて……。

 とにかく聞いて欲しかった。


「タイムループ……?」
「うん……信じられないとは思うけど……」

 一通り話を聞いた新は、少し考え込むように黙ってしまう。

 その横顔を見ながら、せめて笑い飛ばすようなことはしないでと願った。


 不安な気持ちで新の言葉を待っていたけれど、その口から出てきた言葉は優しいものだった。

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